<INTERVIEW>ダンサー・梨央に聞く、成長する為に大切なこと「悩んでる暇があるなら踊れ!」

パワフルでキレのあるダンス動画が話題となり、昨年実施された『【2023年】Z世代が選ぶ“界隈別”トレンドランキング!』にてダンサー界隈が選ぶ2023年流行ったダンサー部門1位に輝いたダンサー兼振付師・梨央さん。

今回は、多くのダンサーに支持される梨央さんのルーツや振付に対するこだわり、またインストラクターとしての想いにまで迫ります。

インタビュー

2023年は○○をメインに

━ 2023年どんな年だったか、特に力を入れたことやこの活動をしてて良かったことなどはありますか?

3つあってまず一つめが、自分の持っているレッスンをメインに、“教える”ということをメインに活動した一年だったなという印象がありますね。2022年は自分がステージに立ったりとか、チームでの活動が結構多かったんですけど、2023年は方向性を変えて、生徒を育てたりとかキッズのチームをやってみたりとか、育成の方に力を入れたなという印象がまず一つあります。

二つめは、SNSの活動に力を入れたことです。Instagramでの発信を、自分の中で目標だったりとか課題を決めてやっています。目標を決めてそれを達成して、っていうサイクルを繰り返してた日々でしたね。


三つめは、そのおかげで初の海外からのレッスンのオファーをいただいて、台湾に行かせてもらったこと。それが一番良かったかなあ。

全てやったからこそ出会ったジャズファンク

━ ダンスは何歳から、どんなきっかけで始めたんですか?

ダンスはまずお母さんがスタジオに連れて行ってくれたのがきっかけで、別にやりたかったとかは特に無くて。連れて行ってもらって初めてハマったっていうのがきっかけです。小学校1年生の時に始めました。

━ 今の得意ジャンル「ジャズファンク」とはいつ出会いましたか?

ジャズファンクは、今の私の大師匠のavecoo先生っていう先生がいるんですけど、中学2年生の時にその先生に出会ったのがきっかけでジャズファンクを始めました。

━ 最初は特にジャズファンクやガールズから入ったわけではないんですね。

そうなんです、元々はヒップホップから始めて。小学生の時に育成のスタジオみたいなところに入ってたんですよ。そこではオールジャンル全部やらないといけないっていうシステムになってて。一応全ジャンル習っていく中でジャズに出会って、ちょっとスローな感じ、ターンとかあったりジャンプとかがあるようなジャンルにハマって、そこからジャズファンクが好きになっていった感じですかね。

━ 始めは色んなジャンルやっていってそこからジャズファンク中心に?

そうですね、全部のジャンルをやったからこそジャズファンクに出会ったっていう感じです。まあ「ジャズファンク」がメインではあるんですけど、「ジャズ」もやっぱり好きで、日本語の曲で踊ったりするのも結構自分の中では好きです。それも少し取り入れつつ、やってますね。

振付はあえて作り込まずに挑む

━ 振りづくりの工程、流れを教えてください。またどんな時に振付が思い浮かびますか?

これ私のは本当に参考にならないと思うんですけど、でも一応言います。(笑)

もちろん先生にもよると思うんですけど、私は本当にどうやって作るとかって無くて。自分の中のルーティーンとしては、レッスンのギリギリまで振りを考えないっていうスタイルでやってて。

(スタッフ全員)え!?

曲とかも何も考えない、決めないのが良くて自分には。それでレッスン30分前ぐらいになってやっと作りだすっていうか、その方が良いものができるタイプで。結構じっくりと曲を聴き込んで作るってよりも、なんかこうパって、まあかっこよく言ったら降ってくるみたいな!そういう感覚で、直感的に作ることが多いですね。

私はあまりスタジオにこもって鏡と向き合って作るっていうタイプではないので、おすすめはできないんですけど。私はそういう風に作るスタイルです。

(スタッフ)すごいですね!(笑)

でもそれで自分も完璧じゃない状態でレッスンに行くんですよ。まあそれって教える側としてどうなのかと思う方もいると思うんですけど、私は別に先生だからって完璧でいる必要ってない気がしてて。レッスン受ける子と同じ気持ちでいるみたいな、失敗したらどうしようとかそういう気持ちを自分も常に忘れたくないっていうのもあるので。自分の中でも良い刺激というか、成長に繋がってるんじゃないかなって。

良いように言ってるだけなんですけど。(笑)

━ キャッチーな曲で振付をされることが多いと感じますが、どのように曲を選んでいますか?

曲もあまり聞き込むタイプじゃないので、流行りに乗っていこうってよりも、やっぱり自分が聴いてテンションが上がるというか、なんか好きだなあってフレーズが一つでもあれば使うとか、そういうので選んでます。流行りを意識してるかって言ったらそんなこともなくて、まあでもそれも大事かなとも思うので取り入れつつ、昔の曲も使いつつ。

私全然ギリギリまで考えないくせによく振りを作るんですよ。(笑)
月に何個も振りを作るんですけど、ジャズファンクの中でも色んな曲のテイストがあるので、それをなるべく偏らないようにかっこいい系をやったら可愛い系をやってみようとか、セクシー系をやってみようとかあまり被らないようにレパートリーは増やして作ってます。

━ SNSでバズりやすいなどの理由があってキャッチーな曲を使っているのかなと思っていたのですが

いや~割とそのバズるのも、何がバズるのか本当にわかんなくて。え、これ!?みたいなのだったりするので、あまりそこは意識しないようにしてます。だってバズんなかったら嫌じゃないですか~バズると思って載せたら。(笑)
それもなんか嫌なので、そこはあまり考えないようにしてます。

それこそInstagramとかでも色んなダンスが出てくるじゃないですか。ふと見た時に良い曲を見つけたりするので、そういうのを使ったりしてます。

━ 梨央さんといえばフロアや体などを大きく使った振付が印象的ですが、そのような振付を作るコツはなにかありますか?

コツっていうのはちょっと難しくて、単純に得意っていうのもありますね。飛んだり跳ねたりは自分の中で得意分野だし、柔軟とか足を開いたりするのが結構得意なので。それらを入れつつ、パワフルな振りはとにかく外に外に出していくイメージ。結構内側で踊るダンサーさんもいると思うんですけど、私はもうスタジオを壊す勢いで作ってます。(笑)

━ ちなみに直感で考えるときって動いたりしますか?

動かないです!頭の中で全部作って、レッスンで初めて踊るみたいな。だから本当に意味の分からない振りができるっていう。(笑)

レッスンとかでちょっと無理かも…(笑)とかも全然ありますけど、どうにかします。頭の中派ですね。

ダンスの上達に大事なこと

━ 幼少期の練習方法だったりやっておいてよかったことは?

私が小学生の時はとにかく毎日踊っていて、踊りまくってました。それこそレッスンにも本当に行きまくってて。色んな先生のレッスンに通ってたので、まだ定まってない状況っていうのもあったんですけど、まあ小学生の頃はそれでいいと思うんですよ。今ヒップホップが好きだからこの先ずっとやるとか別に無くていいと思う。色々やってそれから中学生くらいでだいたい見つかると思うので、焦らずに色々やってみた方が良いんじゃないかなって。

あと私がやってたことは、今だと少し時代が違うんですけど当時はビデオカメラの時代だったので、お母さんとかに撮影してもらった映像を家の大画面で毎日見てました。自分の踊ってる映像とか先生が踊ってる映像を見る。“見る力”って大事だと思うので、そこはやっぱりやった方が良いんじゃないかなって。家での研究の時間も大事だと思います。

━ ダンスに強さやキレを出すためにおすすめの筋トレや体幹トレーニングなどはありますか?

自分のレッスンでは腹筋、背筋、プランクは必ずやってます。毎回やってるから結構な頻度にはなるんですけど、ただそれをしたからといってめちゃくちゃパワフルになるかって言われたら、正直うーん?て感じなんですよ。(笑)

そこだけじゃないと思っていて、体幹とかも大事だけど体力が大事って生徒にはアドバイスしてます。私のレッスンって吐きそうになるくらいめちゃくちゃキツいんですけど、そこのキツさを毎回超えて、自分の体力の限界を超えていくことで体力ってついてくると思うので、「限界を超えろー!」って言ってます毎回。体力はレッスンを受けるのが一番良いんじゃないかなと思いますね。

━ では先生目線で「この子伸びるな」と思う生徒の特徴はありますか?

これはもうダンス関係無くなっちゃうんですけど、とにかくまず“ハキハキ喋れる子”。あと“自分から挨拶ができる子”。「おはようございます!」って言ってくる子は確実に伸びると思います。そこはダンス関係無くだと思うんですけど、どこに行っても大事だと思うので。

これ意外とできない子が多いんですよ、本当に!だからそれを自然とできる子は、ダンス関係無く伸びるんだろうなってすごく思います。ダンスの面では周りと比べちゃう子が多いというか、SNSとかでも全部見えちゃうしそれで結構落ち込んでる子も見るので、周りと比べず我が道を行ける子が伸びるなって思います。

━ 大人数で踊る際に人一倍目立つようにするには何に気を付ければ良いですか?

これ難しいですよね。大人数で踊るってなると揃えなきゃいけないじゃないですか、振付を。だから変に自分だけ目立とうとしてもなんか良くない気もするし、悩みは尽きないと思うんですけど、その中でも表情だったりを私は見ていて。目の奥に力を感じる子がいるんですよ結構。目力というか「私を見て!」っていう気持ち

踊りというよりはここですかね(胸に手を当てる)。これがある子がやっぱり目立つと思うので、自分だけ動きを変えようというよりは、ここ(気持ち)から出てくるもので勝手に目を惹くと思います。だからあまり意識してやることではないかな。

━ 早い振りや激しい振りで雑にならない秘訣はありますか?

これはもう一生聞かれますね。(笑)

やっぱり早振りが多いし激しいしとにかく大変なので、そこをクリアにしていくというのは一番課題というか難しい部分だと思います。練習方法としては、曲だけで一生やってても変わらないので、曲だけじゃなくて自分で歌ってみたりとか数えてみたりしながら鏡と向き合う。カウントでやってみた時に形が綺麗なのか、まずそこができていない子が多いと思うんです。曲で踊るのって楽しいじゃないですか、でもまずは曲じゃなくてカウントで地道にやる。それって結構みんな退屈だったりすると思うんですけど、そこがやっぱり大事なので。まずはゆっくり練習して、それが綺麗になって初めて曲でやって綺麗になるので、カウント練習は大事だと思いますね。

━ ダンスの上達で伸び悩んだ時はどうしたら良いですか?

これはですね…本当にもう、悩んでいる暇はありませんと!

私は悩んでいる暇が無駄っていうマインドになっちゃって、こうすればいいよ~とか言ってあげられないタイプなので、そんな暇があったら踊れ!って。まあ悩みなんて尽きないじゃないですかダンスやってると。完璧な人なんていないし落ちる時は落ちるので、それで嫌になっちゃったのならやめればって思うし。でもやっぱりそれでも頑張りたいならそこからがスタートだと思う、悩んでからがスタートでしょって。そこからどう這い上がるかは自分で考えろって感じです。(笑)

全部自分次第だと思うので、落ち込んでる暇は無い!って書いておいてください!(笑)

ジャズファンクはこれ履いとけ!

━ おすすめのダンスシューズはありますか?

Nikeのハラチっていうスニーカーがめちゃくちゃ踊りやすいです。ジャンルにもよると思うんですけど、ジャズファンクは絶対踊りやすいのでみんな買ってください!すごくキュッとなるんです。裸足みたいな感覚で、本当に踊りやすくてもうこれしか履けないです。

レッスンは基本厚底よりもこういうスニーカーを履いてやっています。本番ではブーツとか履いたりするんですけど、全然踊りやすさ違うので!

━ ダンスジャンルによってこんなダンスシューズが合うっていうのはあるんですか?

あると思います。ヒップホップの人とかはエアフォース 1とか硬めのスニーカーをよく履いてると思うんですけど、ジャズファンクはつま先まで動かすから絶対踊りにくいと思う!ハラチだとヒップホップには軽すぎて逆に踊りにくいかもしれないですね。ジャズファンクはもうハラチです。(笑)

━ 最後に2024年の目標を教えてください。

毎年大きい目標はあまり作っていなくて、舞い込んできたタイミングとかチャンスがあればという感じで考えているので、こうしたい、これは絶対叶えたいとかは無いんですけど、小さな目標は自分の中でコツコツ作ってて。それはもうキリがないので内緒にするんですけど。(笑)

これはもう永遠の目標で、やっぱり自分らしくというか自分が思うままに生きていきたいっていう。自分の良さとか魅力って、自分しか知らないと思うしそれを発信するのも自分だと思うんです。もちろん他人から言ってくれることもあるけど、そうじゃなくて自分で見つけるというか。自分の魅力って自分しかわからないし、自分しか伝えることはできないから、自分本位というか自分を大切にして過ごしたいなって思います。

こうなるぞ!とかは無いんですけど、自分を好きになる、好きでいる、好きでいられるように過ごしたいなって。

あまり目標を決めることがなくて、気づいたらこう動いてたっていう感じで。去年も生徒を育てるっていう目標にしてたわけではなくて、気付いたら流れでチームを休止して、ステージに立つというよりは(生徒の育成を)やってみようかな?という感覚でやってきたので。あまり決めて動いてたわけではないですね。舞い込んで来たらやるぜ!みたいな!

ここでしか見られないダンス動画公開中!

WEGOが運営するダンサー界隈向けInstagramアカウント『WEGO DANCE UP(@wego_dance_up)』では、梨央さんのオリジナル振付によるスペシャルダンス動画を公開中!ここでしか見られないパワフルなダンスは必見です。

■梨央

6歳からダンスを始め、オールジャンルを学び、現在はJAZZ FUNKをメインに活動中。
16歳からインストラクターを始め、現在は都内の他に海外や、地方などでも活躍中!

Instagram:https://www.instagram.com/rio_ambsder/
TikTok:https://www.tiktok.com/@rio_ambsder

■WE LABOができること

WE LABOでは本調査をはじめ、オタク界隈、地雷界隈、中学生・高校生界隈、ダンス界隈などZ世代を中心とした様々な界隈に対する調査を定期的に行っています。「令和に実在するブラック校則」や「地雷界隈が選ぶ飲み物ランキング」など各界隈を深堀りした調査なども実施しています。調査依頼やPR、コラボレーションなどのご案件につきましては、ぜひ専用フォームよりお問い合わせください