16 8月 【調査】ECサイトと実店舗どう使い分ける?Z世代に聞くショッピング実態調査
今や様々な通販サイトやアプリなどの登場やその便利さ・手軽さから市場の拡大がとどまるところを知らないEC市場と、コロナ禍で一時は落ち込んだと見られたが新型コロナウイルスの終息に伴い徐々に回復を見せている実店舗市場。
今回はZ世代のショッピング事情に注目し、ECサイト(ネット通販)と実店舗のどちらで買い物を楽しむ機会が多いのか、どう使い分けているかなどを細かく掘り下げていきます。
多く利用されるのは圧倒的に実店舗
まず「ネット通販と実店舗どちらで買い物をする機会が多いですか?」という質問をしたところ、62.7%の人が「実店舗」と回答しました。ネット通販サイト・アプリの普及で劣勢にあると思われていた「実店舗」ですが、意外にもネット通販に比べて購買の機会が多いようです。
月に利用する頻度
次はもう少し具体的に、月の利用頻度についてそれぞれ聞いてみました。
「月にどれくらいの頻度でネット通販で買い物しますか?」という質問では「ほとんどしない」と回答した人が最も多く39.2%、次に「1回」と回答した人が30.4%と、「1回以下」に収まる人が過半数にのぼる結果となりました。
一方で「月にどれくらいの頻度で実店舗で買い物しますか?」という質問では「2~3回」と回答した人が最も多く32.9%、次に「1回」と回答した人が24.0%という結果でした。
特に気になる点は、月に買い物をする回数が「4回以上(週に1回以上)」または「ほぼ毎日」と回答した人が、ネット通販では6.4%にとどまっていたのに対し、実店舗では20.7%ととても高い割合を占めていた点です。その場所に出向かなければいけない実店舗に対し、いつでもどこでもショッピングを楽しめるネット通販の方が“便利である”ということは明らかですが、なぜこれほどまでに差が開いているのでしょうか。
ネット通販・実店舗で購入する際の1回あたりのそれぞれの平均金額からも見ていきましょう。
購入1回あたりの平均金額
「ネット通販で購入する際の1回あたりの平均金額はどのくらいですか?」という質問では、「1,000~3,000円未満」と回答した人が最も多く31.5%、次に「3,000~5,000円未満」で30.1%という結果でした。
一方で「実店舗で購入する際の1回あたりの平均金額はどのくらいですか?」という質問では、「3,000~5,000円未満」と回答した人が最も多く30.9%、次いで「1,000~3,000円未満」または「5,000~1万円未満」と回答した人が同数でそれぞれ26.2%という結果でした。
全体を大きく分けて見ると「5,000円以上」の回答をした人がネット通販では28.5%、実店舗では37.8%と、平均的に見て実店舗で購入する場合の方が金額が大きくなる人が多いようです。
ネット通販に比べて実店舗の方が利用する機会が多く、購入金額も大きくなる人が多いのは何故なのでしょうか。Z世代が考えるそれぞれのメリットを見ていきます。
価値ある購入体験
それぞれのメリット
「ネット通販で購入するメリットは何ですか?」という質問では、「お店に行く必要がない・家で買い物ができる」「手軽に買える」「楽に買える」など、やはり買い物が時間・場所を気にせず気軽にできる点を最大のメリットに感じている人が多く見受けられました。
他にも「好みの商品を探しやすい」「品揃えが良い」など、欲しいものが明確にある場合、検索が容易で商品を見つけやすい点や、「レビューがある」「他のお店の商品と比較しやすい」といった検討する際の材料が豊富である点、「地方住みはお店が近くにない」「家に届けてくれる」といった配送の利便性などが挙げられていました。
続いて「実店舗で購入するメリットは何ですか?」という質問においては、「実物が見れる」「試着ができる」「サイズ感がわかりやすい」「質感が確認できる」といった実際に商品に触れて購入ができる点を挙げる人が多く、他には「買ってすぐに使える」「送料や手数料がかからない」などの即時性や商品代金以外の支払いが無い点や、「店員さんにアドバイスをもらえる」「自分に合うものが見つかる」「選ぶのが楽しい」など、買い物自体を楽しむことができる点が挙げられました。
ネット通販ではオンラインだからこその利便性はもちろんありますが、やはり実物を見て触って買うという購入体験には特有の高い価値があると感じる人が多いと考えられます。
どう使い分けているのか?
ではZ世代はネット通販・実店舗で主にどのようなものを購入しているのでしょうか。ネット通販・実店舗それぞれで購入するものの上位3つを選んでもらいました。
ネット通販で主に購入するものとしては、1位「洋服・アクセサリー」(304pt)、2位「コスメ・美容品」(189pt)、3位「本・雑誌・漫画」(136pt)、4位「日用品」(128pt)、5位「家具・インテリア」(85pt)という結果になりました。
実店舗で主に購入するものとしては、1位「洋服・アクセサリー」(300pt)、2位「コスメ・美容品」(270pt)、3位「本・雑誌・漫画」(180pt)、4位「食料品」(179pt)、5位「日用品」(128pt)という結果でした。
どちらも上位3つは同じ項目になりましたが、ネット通販では「日用品」「家具・インテリア」といった重くなりがちなものが上位に、また実店舗では特に購入する機会の多い「食料品」が上位に続く結果となり、明確な使い分けが見てとれます。
また、両者1位の「洋服・アクセサリー」はほぼ同ptであったのに対し、2位「コスメ・美容品」と3位「本・雑誌・漫画」のpt数では大きく差が開いています。これは、やはりそれらを実際に見て買いたいという人が多いこと、またネット通販では6位以下の項目が多岐に渡り票が分散していた(実店舗で販売されている機会が少ないものなど)ことなどが影響していると考えられます。
ネット通販はタイミングを選ばず欲しいものを購入することができ、お店が遠かったり家に居ることが多い人にとっては利用する機会が多くなりますが、やはり直接実店舗で購入することで得る体験価値に替えられるものはまだまだ多くありません。最近では「OMOストア」というネット通販と実店舗の両方の機能を兼ね備えた新しいお店の形が生まれていたりもしていますが、企業はそのような進化していく販売チャネルをどう活用していくのか、どの塩梅でいいとこ取りをしていくのか、商品やサービスの需要によって適応させていくことが重要になります。
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実施時期:2024.7.25~2024.7.30
調査の対象:WEGOが運営するSNSコミュニティ6アカウントのフォロワー
有効回答数:362
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