【後編】注目の新米社長・せいまが作る新たなお土産「ミルクとしお」って?<インタビュー>

今SNSを中心にバズっている、高校3年生で起業したせいまくんって知っていますか?

2024年1月の能登半島地震で被災した石川県・能登の復興のため、SNSを活用してお土産の開発事業を行う彼にインタビューを決行!

後編では、「ミルクとしお」にかける想いや完成するまでの苦悩に迫ります。

インタビュー〈「ミルクとしお」を通して伝えたいこと〉

━ では、「ミルクとしお」について深掘りしていこうと思います。まず「ミルクとしお」を開発しようと思ったきっかけを教えてください。

能登のために何かしたいっていう思いは漠然とあって。そのために起業したんですけど、僕自身起業の知識がゼロだったので、“起業する”=“何かモノを作る”みたいなことしか想像できていなくて。それで何かモノを作って、能登のために何かしたいって思ったときに、実際に能登の方に行かせていただいたんです。そこで出会ったおばあちゃんが「こうやって実際に足を運んできてくれることが一番嬉しいよ」っていう風に話してくださって。それなら石川県に来たくなるような仕掛けを何かで作ればいいんだって思いました。

その時にふと思い出した経験が、自分の兄が京都に旅行に行ったときにお土産を買ってきてくれて、それを渡すときにいろいろな土産話もしてくれて、その話で自分も京都に行きたいなって思ったことがあったんです。旅行に行った時の土産話はやっぱり多くの方がすると思うので、お土産っていうのは場所と場所を繋ぐものなんだなって気づいて、石川県に行きたくなるようなお土産を作れば実際に足を運んでくれるんじゃないか、と考えたことがきっかけでお土産作りをスタートしました。

━ お土産と土産話ってやっぱり人の心を動かしますよね。

やっぱり「土産話」って名前が付いてるほど、お土産とその旅行中の話ってリンクしてると思うんですよね。だから実際に足を運んでもらうにはそれが効果的かなと思ってお土産開発を選びました。

━ 商品名「ミルクとしお」に込めた意味やコンセプトについて教えてください。

今回の「ミルクとしお」という商品が、能登のミルクと能登の塩を使用したお土産になっていて、地産地消を意識して商品を作っています。ちゃんとその土地のものを使って作られているということは、購入者にとっても気持ちの良いものだと思うし、普通のミルクと塩ではなくて能登のものなんだよっていうことはやっぱりしっかり伝えたいなという思いがあります。あとはシンプルな名前にしたいなっていう思いは強くあったので、「ミルクとしお」というすごくシンプルでわかりやすい名前にしました。

━ 響きが可愛くて馴染みやすそうな印象ですよね。開発にあたって特にこだわった点は他にありますか?

自分的には塩の味をしっかりと強調したお土産を作りたいなと思っていたので、塩の味が前面に出るような工夫を、協力してくださったお土産屋さんと一緒にやって、この濃度だとこれぐらい味が出ますっていう調整を1%単位でしていただいて製作しました。

━ 開発中に直面した課題があれば、どう乗り越えたかまで教えてください。

開発中にぶつかった壁としては、塩味を出しすぎると逆にミルク味が薄くなってしまったり、そこのバランスがすごく難しくて。そこに関して自分は、もっとこうしたいんですって感想を伝えることしかできなかったんですけど、先ほどのご縁っていう部分にも通ずるんですが、長池製菓さんというお菓子屋さんもすごく真摯に対応してくださって。「もう少し塩の味を強くしてほしいです。」と細かく伝えたら「もうキリがないけどな。」みたいに言われながらも、製造方法をちょっと変えてみたり、ミルクの混ぜ方を変えてみたりと本当にいろいろ工夫してくださって完成したので、自分自身が何かを頑張ったというよりも皆さんのご協力のおかげっていうのがとても大きいです。

━ 私も食べさせていただいたんですけど、ミルクも塩もしっかりと感じられて、甘じょっぱいって感じで本当に美味しかったです。「ミルクとしお」には、素材以外にもなにか石川県の魅力が取り入れられていたりするんですか?

「ミルクとしお」の特徴として、QRコードが記載されているという仕掛けがあります。QRコードを読み込んでいただくと、よくある観光情報だけじゃなくて、地元の方に実際に聞いたイチオシのスポットなどが掲載されています。よくある観光地とかだけじゃなくて、そういったまだ知られていない魅力の部分にも触れた方が復興のためになるかなと思ったので、そのような観光情報サイトに遷移できるようなQRコードをパッケージに印刷するという仕組みを考えました。これもやっぱり原点の「石川県に行きたくなるお土産を作りたい」っていう思いから来ているアイデアかなと思っています。お土産の素材も能登のミルクと能登の塩で、製造も石川県内の小松市の方で長池製菓さんが作ってくださっていって、梱包や「ミルクとしお」のパッケージデザインも全て石川県内で行われているため、すべての製造過程が石川県内で完結しているということが特徴となっています。

━ QRコードが付いているのはすごく斬新なアイデアですよね。「ミルクとしお」のターゲット層はどのように想定されていますか?

特に特定のターゲット層はありません。ただ、SNSで視聴者のみなさんとお土産を作り上げていくという特性上、SNSに投稿したくなるようなかわいいパッケージを採用していたり、比較的若い層の意見が多く取り入れられているかなと思います。

━ 商品を手に取った人にどんな反応をしてもらいたいですか?

自分がすごくこだわった部分が“味”なので、まずはしっかり塩の味を感じていただきたいです。でも本当に素直に「美味しい」って言っていただけるのが一番嬉しいかなと思います。

あとはやっぱりQRコードの仕組みというのが、自分たちにとって新しいアイデアとして考えているので、QRコードを読み取ってもらって「ここどう?」みたいに友達や家族とかと「そこ行ってみよう、お昼ここにしよう」っていう風に会話していただける姿を見れれば本当に嬉しいなと思います。

━ 今後の事業展開や、「ミルクとしお」を通して見据えているもの、挑戦したいことがあれば教えてください。

「ミルクとしお」をまずは全国の皆さんに広めていくというのが一番の目標としてはあります。ただ、「ミルクとしお」を広めるっていうことももちろん重要だと思ってはいるんですけど、本質的な目標、狙いっていうのは能登の復興や石川県を盛り上げることなので、そこの目的と手段を履き違えないようにはしていきたいとは思っています。

本質的な目標の復興という部分では、3月22日・23日に金沢駅でのイベントを予定しています。大きな展望としては、さらにここから新しいプロダクトを制作していって、自分自身の活動を通じて元気になってくれる方を増やしたり、そのプロダクトを通じてまた新しい狙いを明確にして、地域の復興であったり、人を元気にする、日本全体を盛り上げるというようなベクトルに持っていきたいなと思っています。

━ お土産事業における将来の展望はありますか?

自分は今回、石川県を盛り上げたいという思いが強くあったので、石川県の中で例えば今回は能登地区、次は加賀地区というように考えてもいます。能登は今まだすごく地震の被害が大きく残っていて、ちょっと言葉が難しいんですけど“マイナス”っていうのが世間一般的な見られ方かなと思っていて。そのマイナスイメージを少しでも引き上げていって、本来地震が無かったら旅行に来ていたはずだった人を取り戻す、またマイナスをゼロに戻すだけじゃなくて、地震があっても無くても来なかった人たちまで「ミルクとしお」を通じて来てもらう、ということを狙いとして考えています。

そういう意味では、フォロワーさんの数であったり、実際に「せいまくんの投稿を見て石川県に行きたいなと思ったので行きました!」というようにDMいただいたりもするので、多少なりとも貢献はできているのかなと思っています。だから次は石川県だけじゃなくて、日本を世界に広めたりとか、日本を代表するようなものを作っていきたいなとは思っています。

━ 最後に同世代の若者だったり高校生に向けて何か起業だったりとか挑戦についてのアドバイスやメッセージがあればお願いします。

学校を卒業するときに答辞を読ませていただいて、そこでもお話ししたことと重なるんですけど、僕らのような若い子たちっていうのはやっぱり学生っていう壁であったり、未成年っていう壁とか保護者っていう壁にすごく守られているというのは自分自身も実感していて。ただ僕たち若い世代が今後いろいろ進めていく立場になると、確実に逆風が吹いてきたりするじゃないですか。そこの逆風を感じてみんな挑戦ができなかったり、逆風が怖くて挑戦しなかったりするとは思うんですけど、逆風を感じられるということは、前に進んでる人しか絶対に感じられない風かなと思うので、その逆風を恐怖って捉えるんじゃなくて、逆風を感じたときに自分は前に進めてるんだなっていう風に思ってほしいなと思います。そういう意味で逆風を楽しんで、日本を世界を何か変えていけるような若い世代の代表として一緒に頑張っていきたいなと思いますね。

今回は高校3年生で起業しSNSを中心に大きく話題となったせいまさんが力を入れる事業、「ミルクとしお」について深堀しました。

WE LABOでは引き続き、せいまさんの活動を応援していきます!

プロフィール

■せいま(株式会社ADTO代表取締役 / 同志社大学経済学部)

高校1年生の終わりに生徒会長に就任し、その後3期連続で務める。
「生徒主体の学校改革」を掲げ、数多くの改革を行い、県内公立校初のアイス自販機の設置や、校則の改定、新企画(行事)の実現などを行う中で、SNSを活用した広報戦略に着手し、生徒会公式TikTokを2ヶ月でフォロワー14,000人に成長させた。 この経験を生かし、高校3年生17歳で起業し、SNSマーケティング事業を展開する「株式会社ADTO」を設立し、代表取締役に就任。能登半島地震をきっかけに「ミルクとしお」プロジェクトを立ち上げ、石川県の魅力を発信しながら継続的な復興支援に取り組む。
「復旧ではなく復興へ」。若者の力でゼロに戻すだけじゃなく、むしろプラスを作りたいという強い想いをもとに精力的に活動している。

「高校生でも社会を動かせる」ことを証明するため、挑戦を続ける18歳!

イベント情報

2025年3月22日(土)、23日(日)の2日間、石川県・金沢駅もてなしドーム地下広場にてせいまさんが企画するイベント『Noto フェス』が開催されます!

Notoフェスでは、石川県を盛り上げ、能登の復興の為に、能登の美味しいグルメや石川県の伝統工芸品が金沢駅に集結!

『馬場ももこ』『ぶんぶんボウル』がMCを務めるほか、北陸を代表するアイドル『ほくりくアイドル部』や、「好きすぎて会いたい」がTikTok8億回再生を突破した『エイトMAN』による特別ライブなどイベントを盛り上げる豪華コンテンツも盛りだくさん!

更に、石川県出身のインフルエンサー・きりざきまいやモデル・大西陽羽、そしてなんと俳優・中尾明慶の出演も決定!

入場料無料なのでぜひ遊びに来てくださいね!

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