「制服は、決められたもの」から「自分を表すもの」へ。
WE LABOでは、Z世代のリアルな声を可視化するため、制服に関する大規模アンケートを実施しました。本調査は、オンワードコーポレートデザイン様とのお取り組みとして、「Think about what school will be~未来の学校の姿をデザインする~ 2025年度スクールユニフォーム展示会」でのパネル展示を目的に実施したものです。生徒本人・保護者それぞれの視点から集まった声をもとに、展示内容を改めて記事としてまとめました。
Z世代と保護者に聞いた制服事情
制服が好きだと、学校も好きになる

まず見えてきたのは、制服への評価と学校生活の満足度には強い相関があるという点です。
「今の制服があまり好きではない」「嫌い」と回答した生徒は82%にのぼり、多くの生徒が現行の制服に対してポジティブとは言えない感情を抱いていることが分かりました。理由としては、「“THE普通”って感じがする」「昭和っぽくてダサい」「夏服が事務員みたい」などといった、特に見た目のデザインに関する不満が目立ちます。
実際に、生徒たちが制服について“ここがイマイチ”と感じているポイントを掘り下げてみると、以下のような意見が多く挙がりました。
● シルエット・種類
「セーラー服デザインが嫌だ」「スカートの丈が長すぎる」「プリーツがないスカート」
● リボン・ネクタイ
「赤すぎるネクタイ」「昭和っぽい細いリボン」
● 柄・カラー
「真っ黒」「暗すぎる色」「派手すぎる色」
● シャツの形・色
「青すぎるシャツ」「昭和っぽい丸襟」
また一方で、「今の制服がとても気に入っている」と回答した生徒は18%でした。「めっちゃ可愛い!県内で4位の可愛い制服って言われてる」「制服が可愛いから学校も好きになれる気がする」「ネクタイやリボンが選べてアレンジできるのが楽しい」といった声も見られます。
これらの結果から、制服は単なる指定衣服ではなく、Z世代にとっては学校生活の気分や学校そのものへの愛着やモチベーションを左右する存在になっていることがうかがえます。
制服が“可愛い”は、選ばれる理由になる

では、制服は学校選びにおいてどの程度重視されているのでしょうか。Z世代に「通いたいと思う学校の特徴」を聞いてみました。その結果、「制服が可愛いこと」は、進学先を選ぶ際の条件として19%で最多となりました。校風や部活動、通学距離と並び、制服が学校選択の判断軸として明確に存在していることが分かります。
自由回答では、「制服が可愛いと学校に行きたくなるし、校舎が綺麗だと安全な生活ができそう。」「可愛い制服だったら気分上がる。」「JKなら可愛い制服で青春したいし、清潔感も大事。」といった声が多く寄せられました。制服が単なる服装ではなく、学校そのものの印象を形づくる要素として捉えられている様子がうかがえます。
また、SNSや学校説明会で制服写真を見る機会が増えたことで、入学前から複数校の制服を比較する行動も当たり前になっています。Z世代にとって制服は、「入学後に着るもの」ではなく、入学前から検討・評価する情報のひとつになっていると言えそうです。
制服が可愛ければ、第一志望になる

制服は「学校選びの条件」にとどまらず、志望度そのものにも影響を与えていることが分かりました。調査では、制服デザインについて「とても気になった」「少し気になった」と回答した生徒は65%にのぼり、多くのZ世代が進学検討の段階で制服を意識していることが明らかになっています。
学校選びの際に制服デザインが気になったと回答した生徒の中からは、「3年間着るから、やっぱり可愛い制服にしたかった。」「中学の制服がダサかったから、高校は可愛いところに行きたかった。」「どうせ毎日着るなら、自分の気に入ったデザインがいい。」といった声があがりました。制服は、学校の特徴を判断する材料であると同時に、自分がその学校で過ごす未来を想像するためのスイッチにもなっているようです。
また、近年の制服トレンドの傾向として、従来の「清潔さ」や「きちんと感」に加えて、“個性”や“遊び心”を表現する制服スタイルが広がっています。
その象徴的な例が、平成ギャル文化を代表する「ルーズソックス」の再ブームです。当時をリアルタイムで体験していない世代にとっては新鮮な存在として受け取られ、“レトロ可愛い”カルチャーの一つとしてZ世代の間で再評価されています。
さらに、スクールバッグやカーディガンをピンクやブルーなどの鮮やかなカラーバリエーションで取り入れる動きも定着しています。友達同士で色をそろえたり、推しカラーを選んだりと、制服周りのアイテムを通じて自己表現を楽しむスタイルが広がっており、制服は「決められた服装」から「個性を発揮するキャンバス」へと進化し、ファッション感覚で楽しむ若者が増えているのが特徴です。
生徒も制服選定チームに、「変わる」意思決定

制服に対する価値観の変化とともに、「制服は自分たちも一緒に決めたい」という意識が広がっています。制服のデザインや仕様を決めるプロセスに生徒が関わることについて、「関わりたい」と回答をした生徒は74%にのぼりました。
自由回答では、「勝手に決められるのはいやだ」「生徒が着るものだから、生徒が関わらなければ意味が無いと思う」といった声が多く寄せられており、生徒自身が制服づくりに参加したいという強い意思がうかがえます。
生徒が関わり、その感覚を制服づくりに取り入れることこそが、制服への愛着や納得感を高め、結果として学校生活の満足度向上につながっていきます。
“選べる制服”はあたりまえに

制服における選択肢の拡大も、いまや特別な取り組みではなくなりつつあります。今回の調査では、スカートとスラックスを選べる制度について、「すごくいいと思う」「まあいいと思う」とポジティブな回答した生徒は88%にのぼりました。
自由回答では、「女子でもスカートが苦手っていう人がいるから、選べるのはありがたい」「“女はスカート”っていう決めつけがなくなるのがいい」「性別に関係なく好きな制服を着られるのが普通だと思う」といった声が多く見られました。こうした声から、選択制は“多様性への配慮”という枠を超え、一人ひとりの感覚に合わせて選べること自体が価値として受け止められていることが分かります。
また、選べる制服は、多様性の観点だけでなく、着心地や安心感といった実用面でも評価されています。「スラックスは暖かいし、それぞれの好みに合わせられるのが素敵」「痴漢や防寒の面でもスラックスは安心感がある」といった声もあり、制服選択の自由は日常の快適さにも直結しています。
制服の選択肢を広げることは、特別な配慮ではなく、生徒一人ひとりが安心して学校生活を送るための“前提条件”になりつつあると言えそうです。
制服の新定番は?Z世代のリアルな声

では、Z世代はこれからの制服にどのようなアイテムを求めているのでしょうか。
「制服に新しく取り入れたいアイテム」を聞いたところ、最も多かった回答は「パーカー」でした。およそ半数近くのZ世代が回答に挙げており、他のアイテムと比べても突出して高い支持を集めています。
自由回答では、「ブレザーの下にパーカー着たら可愛すぎる」「TikTokで制服にパーカーを合わせてるのを見て、めっちゃ可愛いと思った」といった声が見られ、見た目の可愛さやアレンジの幅が支持の理由として挙げられていました。
また、ポロシャツや開襟シャツ、ハーフパンツといったアイテムも上位に挙がっており、季節や気温に合わせて調整できること、重ね着しやすいことなど、実用性を重視する声も多く見られました。制服は一式で完成するものではなく、シーンや体調に合わせて組み合わせられるものを求められている様子がうかがえます。
こうした結果から、Z世代が求める制服の新定番は、「きちんと見えるかどうか」だけではなく、「毎日無理なく着られるか」「自分のスタイルにフィットするか」といった視点へと移りつつあると言えそうです。
便利さ+安心感で未来の採寸へ

制服の分野でも、デジタル化や効率化の波は着実に広がっています。最近では、スマートフォンで全身写真を撮るだけでAIが自動でサイズを測定する「リモート採寸」を取り入れるメーカーも増えつつあります。
一方で、AIやリモートによる制服採寸については、現時点ではポジティブな意見が圧倒的に多いとは言えず、認知や意識の面ではまだ成長段階にある様子がうかがえます。
調査では、「やや不安はあるが問題ない」と回答した保護者が一定数見られました。自由回答では、「入学式に間に合わないなどのトラブルが怖い」「高価な買い物だし失敗したくない」「成長期を見越して採寸できるのか不安」といった声が多く、利便性よりも安心感を重視する姿勢が強く表れています。
その一方で、「落ち着いて採寸できるので店内でバタバタせず安心」「移動や待ち時間が減るなら助かる」「忙しい家庭にはありがたい」といったポジティブな意見も寄せられました。現時点では慎重に受け止められているリモート採寸ですが、仕組みやフォロー体制への理解が進むことで、今後さらに受け入れが広がっていく可能性がありそうです。
WEGOが行う学校との取り組み

今回の調査から見えてきたのは、制服が単なる「学校指定の服」ではなく、学校生活の満足度や学校選び、さらには学校への愛着そのものに影響する存在へと変化しているということです。
生徒にとって制服は、自分らしさを表現するものになりつつあり、「可愛い」「選べる」「納得できる」といった感覚が重視されています。一方で保護者にとっては、便利さだけでなく、安心感や信頼できるプロセスが欠かせない要素であることも明らかになりました。
制服づくりにおいて重要なのは、どちらか一方の視点に寄るのではなく、生徒・保護者・学校それぞれの声を丁寧にすくい上げていくこと。そのためには、実態に基づいたデータと、リアルな声をもとにした対話が欠かせません。
WEGO/WE LABOでは、アンケートやリサーチを通じて若者世代の意識や行動を整理し、企業や学校との取り組みに活かしています。ファッションの枠にとどまらず、学生を取り巻くカルチャーや日常の視点から、若者の今を捉え、その歩みを後押ししていきます。
■調査概要
調査の方法:インターネットを利用したアンケート
実施時期:2025.8.20~2025.8.26
調査の対象:中学生・高校生、親世代
総有効回答数:1,555(中学生・高校生:1,087、親世代:468)
今回の調査結果からもわかる通り、これからの制服には生徒の「ときめき」と保護者の「安心感」の両立が欠かせません。
オンワードコーポレートデザインでは、これまでのノウハウを活かし、学校ごとの想いに寄り添った「未来の学校の姿」をデザインするお手伝いをしています。新しい制服づくりや、多様性への対応をご検討の皆さまは、ぜひ公式HPをご覧ください。
▶︎ オンワードコーポレートデザイン スクールユニフォーム公式サイト
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